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第9回_周囲から頼られる内勤総合職スキル

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こんにちは。十返舎テックです。

本日のテーマは内勤総合職に求められるスキルです。資格ではなく仕事をするうえで使える能力や思考、姿勢などをまとめていきたいと思います。

これができたら神待遇!可愛がられること間違いなし!!

他人が作ったExcelマクロやAccessツールの解読と修正

ひと昔前に、EUC(エンド・ユーザー・コンピューティング)という言葉が流行りました。システム部門ではなく業務部門が主体となってシステムの開発・運用することを指します。生命保険会社に限った話ではないですが、企業においては各部門でそれぞれ“指標”といえる数値を持っており、その収集・分析を行い次のアクションプランへとつなげます。保険会社だと分かりやすいのが『営業成績』ですかね。本社部門がその日成立した契約を支社・営業所・担当者ごとに集計し、営業成績〇〇円という形で全国に速報を伝えます。

集計はさまざまな観点で行われますので、それらすべてをシステム開発していたらキリがありません。そこで、システム部門が管理している巨大なコンピュータに記録されているデータをから、流出させては困る情報を除いたデータを定期的に抽出し、カンマで区切られたデータの羅列が記述してあるテキストファイルを予め業務部門に提供しておきます。

業務部門はそのデータをビジネスの要求に応じて、好きな時に好きな情報を取得できる仕組みをExcelやAccessで作ります。どの部門でも一人くらいマクロとかVBAといった知識に強い方がいるもんで、そういう人たちが勝手気ままに作ったEUCツールが脈々と受け継がれ、“仕様を理解せず決められた手順に従ってボタンを押す作業”を、パートタイムの方や一般職の方が担います。この方たちはITリテラシーが一般人より高いかというと決してそんなことはなく、決められて手順通りに作業するだけです。どの保険会社も程度の差はあれどこうした状況が一般的です。

ところが、このEUCツールは環境の変化に大変弱く、例えば新商品発売をきっかけに今まで連携されていなかったデータ項目が追加や削除されていたとか、改元対応をきっかけにEUCツールで出力するデータ日付を和暦表示から西暦表示に切り替えたいとか、そういうことがしばしば起こりがちです。当然、そのEUCツールで作業を担当する人たちに成す術なく、そういう事態になった時に『総合職なんだからわかるでしょ?』ってな感じで改修作業を押し付けられます。これは総合職が比較的高い確率で受ける“洗礼”の一つです。その洗礼イベントを乗り越えることができれば、職場でのあなたの評価はうなぎのぼり間違いなし!ですが、このイベントを攻略するために注意することがいくつかあります。

  1. 決まって「何もしていなんだけど突然動かなくなったのよね~」と言ってくる相手から“何をしたらどうなったのか?”を根気強く丁寧に聞き出さないといけません。
  2. そもそもそのツールがどういう目的のものか知らずに調査することは不可能なので、それも相手に聞く必要がありますが、質問の仕方には十分注意が必要です。同じ質問を繰り返したり、知ったかぶった態度はNGです。業務知識は間違いなく相手が上なので、質問の内容であなたの業務知識レベルは露呈されます。変に取り繕うことなく、あなたはEUCツールを修正する能力だけを提供することに徹しましょう。
  3. そもそもあなたにExcelやAccessの基本知識がない場合、絶対に依頼を引き受けてはいけません。業務で使用しているツールであるため、相手はすぐに修正してほしいと考えております。引き受けた結果「わかりませんでした~」は相手の心証をものすごく悪くします。あなたがどんだけ頑張った過程があっても、“できないなら始めから言えよ”って思われてしまいます。得るものは何もありません。

なお、このイベントの難易度はそれぞれです。ExcelのVLOOKUP関数使っただけで神さま扱いされることもあれば、VBAソースコードの定義を修正しないと要望を叶えられないこともあります。

いつイベントが発生しても対応できるようにExcelとAccessの基本知識を身に付けることを推奨します。基本知識のレベルは以下の通りです。

  • Excelの開発タブにある一連の機能を使えるレベル
  • Accessのクエリという概念を理解していて、フォームとレポート機能のデザインビューを操作できるレベル

何を言っているのか理解できない方は、イベント発生時は全力で逃げてください。また、Excel、Accessにおいて、わからないことをググって答えを導き出す検索センスを身に付けている必要もあります。これは日常生活で身に付けていただければと思います。

 

投資判断可能な数値を算出できる!

正確な数値が分からないときに周囲にある情報を活用して答えを導き出す

いわゆる“フェルミ推定”と呼ばれるものですね。就活対策で目にしたり聞いたり、もしかしたら面接で実際に求められたことがある人もいるかと思います。

保険会社で言うと、例えば新しい保険を開発したときに、以下のように投資判断の基となる数値算出を行います。

  • 新しい保険は健康診断結果の提出が必須
  • 新しい保険によって健康診断結果の提出は従来より2倍に増加する見込み
  • 新しい保険は発売初年度6万件の販売を見込み、次年度以降は緩やかな現象を想定
  • 健康診断結果はお客さまから預かり、健康診断結果から「BMI」「血圧(最大/最小)」「尿検査(糖/たん白)」全部で5つの数値をコンピュータに登録することが必要
  • 登録作業は、これまで本社のとある部門30名が担っている
  • 保険1件あたりに費やせるコストは1,000円まで
  • コンピュータへの登録作業を人が行うか、自動で数値を読み取れるシステムを開発するか判断したい

すごく単純なケースですが、システム投資するか増員するか経営に影響する大きな判断が必要でそれなりの『根拠』に基づいた数値を導き出す必要があります。

健康診断結果の提出量が2倍と見込んでいるので、単純に作業者も2倍必要になると考えます。新たに30名の人員を採用したとして、一人当たり人件費が年間400万円であった場合、年間1億2000万円のコストが増えます。それらの人に対する教育や管理も必要です。一度雇用するとよほどのことがない限り会社が勝手に解雇することはできないため、このコストは継続的に発生しつづけます。

では、その作業を自動化するためシステムが3億円で開発できるとしたらやるべきでしょうか?

システム投資の効果を算出する

3億円というコストは30名増員した場合の人件費2.5年分です。つまりシステム開発費用は2.5年で回収でき、その後は発生するはずだった人件費を抑制できそうです。これで、よしシステム開発だ!と判断したら間違いなく上司からバカヤローー!と一喝されるでしょう。

それは、システムと人が同じ精度で入力できることが前提となっており、その検証数値が示されていないからです。これ、とても大事です。この検証をするには以下の情報足りません。

  • 人のミス率
  • システムのミス率

そもそも人はミスするので、今現在ミスを抑制するためにどのような仕組みが構築されているか?ということも調査が必要です。調査の結果、2人で同じ入力作業を実施し、入力内容が一致しなかった場合のみ3人目が修正作業を行う方式を採用していることがわかりました。また、その3人目を必要とするケースが発生する確率は25%ということも過去の実績データから判明しました。では、これまで得た情報で人のミス率を算出しましょう。

まず、3人目を必要とするケースの発生率は25%ということなので、75%は2人の入力が一致することがわかります。なので、0.75の平方根を求めると1人目と2人目の正答率が約0.87であることがわかります。(平方根を忘れた方は思い出してください。3の二乗が9で、9の平方根は3です。)

1人が入力する項目数は5つ(BMI、血圧 最大/最小、尿検査 糖/たん白)でしたので、0.87の五乗根を求め、1項目当たりの正答率が0.97であることがわかりました。(平方根、三乗根・・・n乗根、電卓で求められるのでやってみてください。)

よって、人のミス率はたった3%であることが判明しました。

システムのミス率はいかがでしょうか?最近の技術革新には驚かされるばかりですが、帳票の文字認識を人と同じ精度を実現することは今のところ厳しいようです。受診機関によってレイアウトがバラバラの健康診断書を97%とという高い精度で読み取る技術はまだまだ実現できておりません。仮に機械の正答率が一項目あたり70%だとすると、1帳票の正答率はその五乗なので、たった17%です。システムを導入したら機械の結果を人が確認し、修正作業を行うことが必要になりそうです。う~ん厳しいですね。

第三の案を提案する

人を増員する案は人件費が莫大に必要であることがわかりました。新しい商品1件に費やせるコストは1,000でしたので、年間1億2000万円をペイするためには、新しい商品を毎年12万件販売する必要がありますが、前提の販売見込みは初年度6万件でその後減少でした。よって、新しい商品は赤字覚悟で販売しなければなりません。

システム導入案については、人と同様の入力精度が担保できないため、その効果がないことがわかりました。

では、新しい商品の発売はあきらめるしかないのでしょうか?

このような状況の時、報告書にはこれまでの検討内容とどちらの案でも効果が見込めないという結論を記載しつつも、例えば、データ入力作業を外部業者へ委託する案を少し検討し、その可能性を示唆してみるのもよいでしょう。それが採用されるされないにか関わらず、自分のアウトプットは、求められたことに何か少しでも付加価値をつける意識を持つことができれば、上司の右腕として可愛がられることでしょう!

まとめ

ここに記載したスキルは必須で求められるものではありません。だからこそ価値あるスキルで、基礎を習得してしまえばどこに行っても通用します。こうしたことで小さな実績を積み重ねていくと、あなたの発言力も大きくなり快適なサラリーマン生活を謳歌できることでしょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。