さぁ、生命保険会社の内勤について語ろう

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第6回_生命保険会社の仕事って営業以外に何がある?②

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 こんにちは。十返舎テックです。前回に引き続き、生命保険会社のお仕事紹介です。

前回のおさらい

前回は「引受査定業務」「契約管理・保全業務」「支払業務」の事務3部門と「商品開発業務」「数理業務」を紹介させていただきました。

www.insurance-head-office.work

事務3部門は保険の加入、契約の管理、保険金・給付金の支払をそれぞれ担うため、保険の「入口」「中間」「出口」という言葉でそのサイクルを表現します。

会社が大きければ大きいほど手続きに必要な「紙帳票」が多く存在し、お客さまから必要な提出書類をすべて頂戴しているか、欠損はないかといった書類の“点検”に多くの人と時間を費やしております。業務効率化のためIT活用を各社進めているものの、まだまだ完全ペーパレスを実現できている会社はありません。そうはいっても、日本の労働人口は減少し続け人手不足になることは目に見えているので、事務手続き全体の効率化、テクノロジーのさらなる活用というのは各社共通の課題です。そのような事務手続きの業務改革・改善を企画する部門が「事務企画部」です。会社によっては、事務3部門の中にそれぞれ「企画課」という部署を設けているところもありますが「事務」「契約」「契約サービス」「保険金」などといった言葉の後ろに“企画”がついている部署は、総じて事務やシステムの企画・立案を担っている部署です。

事務のシステムや新しいテクノロジーの活用については書きたいことがたくさんあるので、別の機会に紹介させていただきます。

生命保険会社の「金融業務」

生命保険会社は金融機関です。・・・何を当たり前なことを書いているんでしょうかね(笑)

お金を融通すると書いて“金融”です。広い意味だと、これまで紹介したような小口資金を広く集めて積み立てて、万が一の時にまとまったお金を提供することも“金融”と言えそうですが、それは“保険”という表現が適切でしょう。生命保険会社には「保険業務」とは別に「金融業務」と呼べる機能があります。「株式部」「債券部」「不動産部」「〇〇投資部」と呼ばれる部門がそれら機能を担います。この領域で働く人たちは経済知識はズバ抜けておりますが、日常で“生命保険”に触れることが極端に少ないためか、生命保険に対する理解度が低かったりします。(もちろん、両方の知識ある方は沢山いますが・・・)

生命保険会社の資産運用は「安全運用」が鉄則です。資産運用っていうとハイリスクハイリターンを狙ったスリルあるディールの世界というイメージがありますが、そういう職場で働きたい方は証券会社や投資銀行などに就職することをおススメします。まぁ、最近は徐々にですが積極的な投資先も増えてきたとのことなので、環境が変わりつつあるようですが・・・。

個人営業の現場支援を担う「後方支援業務」

営業現場に対して様々な奨励施策を打ち出したり、営業現場を激励したり、全国各拠点の営業成績を把握し営業戦略を指揮したり後方支援する部門を「業務部」や「業務管理部」と呼びます。本社部門で最も数字(成績)を追いかける部門ではないでしょうか。バイタリティ溢れる体育会系な方々が集まっており、結婚式のスピーチをこの部門の人にお願いすると確実に乾杯までの道のりが遠くなります(笑)

これは都市伝説なのですが、とある会社の業務部フロアには神棚がありその前に日本刀が飾られているとかいないとか…そんな冗談が出てくるくらい熱い職場です。なお、いわゆる生保レディや営業マンの給与や人事・労務管理は、内勤とは異なり人事部ではなく業務部かそれに近しい部門で担うことが多いです。

同じ会社内に人事を司る部門が2つ存在するのって他の業界でもよくあるんですかね?

年々存在感を増す代理店チャネルの管理・拡大を担う「代理店戦略業務」

ショッピングモールや駅前で、様々な保険会社のパンフレットを並べているショップをよく見かけるようになりました。来店型保険ショップといわれる乗合代理店です。時代の移り変わりとともに生命保険に求められるニーズが多様化し、従来の営業チャネルだと中々カバーしきれなかった若い世代の方や企業の経営者を中心に保険販売の占める割合が年々大きくなり、その存在を無視できなくなっております。生保各社は如何にして代理店に自社商品を取り上げてもらうかに力を入れており、乗合代理店に出資して傘下に収める動きも活発です。その動きに合わせて代理店戦略を担う「市場開発部」や「代理店〇〇部」と呼ばれる部門もここ近年増員傾向にあるようです。

生命保険を販売してお客さまからいただく保険料は、万が一の時に備えるための積み立てに充当する“純保険料”と、保険会社が受け取る手数料に充当する“付加保険料”を、あらかじめ分けて商品・価格設計します。お客さまに提供する保障部分は商品設計する上で核となる要素ですので、安く保険を販売するには付加保険料をどれだけ抑制できるかが勝負です。会社は事業を存続させるために多少なりとも利益を確保する必要がありますし、保険販売の主力チャネルである営業職員さんの給与も確保しなければなりません。一方で、これから力を入れていこうとする代理店に対しても、支払う手数料をケチってしまうと自社商品を販売してもらえず、他社商品が多く販売されることでしょう。こういうことを背景に、営業職員チャネルと代理店チャネルの両方で扱える商品を開発する際には決まって、営業部門と代理店戦略を担う部門がそれぞれの取り分を多くしようと衝突し、料率計算を行う数理部門と商品設計を担う商品開発部門が頭を悩ませ、終わらない会議に突入するのが定番です…

ちなみに、ライフネット生命が保険料内訳の分かりやすい解説と、自社内の商品における各種内訳明細をホームページで公開しております。保険料内訳を公開するという行為は、当時、業界に大きな衝撃を与えました。(だからと言って、一番安い会社かというとそうではないんですよね。生命保険はキチンと選んでください。)

ホールセールを担う「法人営業業務」

各社呼び方は様々ですが「法人営業本部」とか「総合営業推進部」とか「ナントカ法人部」と言われる部門がホールセールを担っております。個人にむけた営業とは異なり、企業の福利厚生の一環として組織単位で取り扱う「団体保険」や、従業員の退職制度である「企業年金保険」などを取り扱っております。企業向けということもあり、保険知識はもちろんなのですが、会計・税務の深い知識が求められ、保険と通じてお客さまとなる企業の戦略アドバイスを実践しております。

経営者自身に万が一の事態が起きた時の事業継続資金を保障したり、経営者自身の退職金準備のための「経営者保険」という商品も扱っておりましたが、その保険に加入することで得られる節税効果を必要以上に“売り”にしてしまい、つい最近、新聞を賑わせました…。

余談ですが、この「経営者保険」という商品は1件の契約で頂戴する保険料がとても高額なため、営業の人間からすると営業成績をドカンと稼げるホームラン級の商品でした。そのため、生命保険会社以上に乗合代理店各社が販売に力を注いでおり、経営者保険一辺倒の営業スタイルをとる代理店も少なくありませんでした。今回の見直しで一番影響を受けているのは代理店市場かもしれません。「経営が好調でフェラーリ買いました!」なんて社長さんが今回の騒動で会社を畳むことになったという話も聞きます。そういう意味で代理店は政策や法律によって経営が乱高下する業界と言えます。(法人営業の話じゃなくてすみません…)

ナゾ⁈「調査部」

歴史ある漢字生保大手は調査部という部門を有しております。社内の人間も調査部が日々どのような活動をしているのかベールに包まれよくわからず、私自身、生命保険協会や金融庁といった組織と様々な調整を行なっているなぁといった程度の理解です。総じてこの部門に異動する方や、この部門に籍を置いていた方は非常に優秀な方が多いです。

『生命保険 調査部』でGoogle検索すると、真偽のほどは定かではありませんが十数年前の記事で調査部による政界工作を糾弾しているブログなどもあります。

なんだか都市伝説チックな存在に思えてしまいますが組織図には確かに調査部の記載があり、先日ご紹介したアニュアルレポートの巻末資料にもきちんと掲載されております。この部門についてはこれ以上お伝えできる情報はありません…。

 

その他諸々…

生命保険会社にはまだまだたくさんの部門があります。公序良俗に反することがないように社員教育の実施や違反の取り締まりを行う「コンプライアンス管理部門」。

お客さまからのお問合せに対応する「コールセンター部門」。

全社的なビジネス戦略を担う「企画部門」。

海外市場の調査や進出などを担う「海外事業部門」

会社の情報システムを保守・開発する「情報システム部門」。

その他、一般的に企業に設置される「総務部」「秘書部」「広報部」「経理部」「人事部」「法務部」といった管理部門。

日本生命では2020年に向けた「オリンピック・パラリンピック推進部」というユニークな部門も存在します。

まとめ

2回にわたって、生命保険の本社部門を紹介してきました。生命保険会社は「保険の販売」と「資産運用」の2本柱でビジネスが成り立っており、それらの活動を支える後方支援業務・金融業務・保険業務が本社に勤める内勤の主な業務になります。

非常に業務の幅と選択肢が広いことが、生命保険会社内勤における魅力の1つだと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。