さぁ、生命保険会社の内勤について語ろう

生命保険会社の内勤を目指す方に向けた情報発信サイトです。

第4回_アニュアルレポートを見よ!

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こんにちは。十返舎テックです。

本日のテーマは「アニュアルレポートから読み解く企業文化」です!

国内で事業を展開している生命保険会社はおよそ40社です。生命保険会社の内勤として働くことを勧めていますが、どこの会社でもOKというわけではありません。やはり各社それぞれの企業文化があるので、自分に合うかどうかの見極めが必要です。

アニュアルレポートとは

企業が投資家やステークホルダーに向けて公開する経営状況をまとめた資料を指します。同様の性質を持った資料で上場企業が提出義務のある「有価証券報告書」というものがありますが、アニュアルレポートは法的な作成義務はなく、各社IR活動の一環として年次ごとにWebサイトを通じて公表したりしてます。有価証券報告書は記載内容等が定められており制約事項が多いですが、アニュアルレポートは一年間の企業活動とその結果、将来に向けたビジョンを読み手にわかりやすく伝えることを目的とし、写真なども多用して各社の創意工夫が見て取れる資料になっております。アニュアルレポートを見ることで、その会社がステークホルダーをどのように捉えているかが分かり、そこから企業文化を感じ取れると思いますので、是非一度、目を通してほしいと思います。

生命保険会社各社のアニュアルレポートは生命保険協会ホームページより閲覧可能です。

アニュアルレポートを見て企業文化を捉える

ライフネット生命

まずは、ライフネット生命のアニュアルレポートを紹介します。

https://www.seiho.or.jp/member/disclosure/pdf/h29/lifenet.pdf

見ていただければわかりますが、経営陣や各部門の社員の方が笑顔で写っている写真が多く、何となく風通しが良さそうな印象を受けます。メッセージも非常にシンプルで、見ている人に対して何を伝えようとしているかわかります。一方で、岩瀬会長の存在感が大きく、代表取締役を務める森社長が会社を引っ張っていくんだという意思はあまり感じられません。(あくまで個人的意見ですが…)

経営陣が一同に収められている写真があるのですが、森社長がなんだか窮屈そうに会長と常務に挟まれている姿がなんとも言えません。(考えすぎですかね…)

FWD富士生命

次に、表紙がとても印象的なFWD富士生命です。

https://www.seiho.or.jp/member/disclosure/pdf/h29/fwd-fuji.pdf

「いくぜ、人生。」というキャッチフレーズに、スマホ片手に音楽を楽しむ女性の写真をデカデカと掲載する生命保険会社とは思えぬ攻めた表紙です。伝統的な生命保険会社では絶対に実行できない思い切りの良さが感じられます。決算ハイライトとして赤字が発生している状況も数値をデカデカと表記し、逃げも隠れもしないその心意気が見て取れますが、ちょっと心配になったりもしますね。まぁ、雰囲気が良さそうなのは間違いないと思います。

カーディフ生命

写真と色づかいが大変上手なカーディフ生命です。“ザ・ガイシ”って感じです。2018年より日本法人として活動し始めましたが、フランス生まれのおしゃれさは受け継がれているようです。アニュアルレポートのお手本のようです。

https://www.seiho.or.jp/member/disclosure/pdf/h29/cardif.pdf

この会社は中途採用も多く国際色豊かで、多様性を受け入れる風通しの良さと女性の働きやすさはとても有名です。一方で、自ら進んで仕事を取っていく姿勢が重視されるようで指示待ち人間に対して評価は厳しいようです。フランス本国の日本支社だったころは外資特有の「突然のクビ宣告」もあったとか何とか…。

主力事業の団体信用生命保険でありますが、多様化した日本社会と人口減少、少子高齢化を鑑みるとそれ一本で今後も事業を継続することに対して不安を感じる人も少なくないようです。

クレディ・アグリコル生命

カーディフと同様、フランスの資本で事業展開する外資です。

https://www.seiho.or.jp/member/disclosure/pdf/h29/agricole.pdf

やはり、デザインは秀逸ですね。業績ハイライトを見ると新契約高は増えているものの収入保険料は2014年をピークに年々減少を続けており、手放しで喜べる状況でないことは確かです。

住友生命

やはりというか、Vitalityプログラムを前面に押し出した内容になってますね。

https://www.seiho.or.jp/member/disclosure/pdf/h29/sumitomo.pdf

健康増進型の保険が何かと話題ですね。健康増進型保険は健康診断などを保険会社に提出して診断結果が優良であれば割引保険料が適用される「結果型」と、「Vitality」のように健康への取り組み・活動を評価して特典や保険料割引を受けられる「行動型」の2つに大別できます。住友生命はVitalityを通じて、人生100年時代の長生きリスクという社会課題に取り組む姿勢を伝えたいようですね。東京とシリコンバレーに「オープンイノベーション」を推進するラボを設け、デジタル活用による新たなビジネス創出にも力を入れているようです。大手生保4社に数えられ財閥系で手堅いイメージの保険会社ですが、激動のの時代に乗り遅れまいとする意志を感じ取ることができますね。

日本生命

王者の風格漂う内容です。

https://www.seiho.or.jp/member/disclosure/pdf/h29/nihon.pdf

他社ではよく目にする「とあるフレーズ」が全くありませんでした。何かわかりますか?・・・それは、“お客さまに選ばれる”です。

「お客さまに選ばれる〇〇を目指します」や「お客様に選ばれるため〇〇を強化します」という言葉は使う必要がないんでしょうね。お客さまに向けたメッセージに使われるフレーズとして「より良く」「さらに」「今後も」といったニュアンスの言葉が多かったです。王者という今の立場に満足せずに、「より高みを目指して不動の地位を確立するんだ!」という姿勢が感じ取れます。リーディングカンパニーで働くには常に競争を意識する必要がありそうですね。

第一生命

言いたいことは一つだけ。「お客さま一人ひとりのQOL向上を目指して」

https://www.seiho.or.jp/member/disclosure/pdf/h29/daiichi.pdf

正直、ウマい!と思いました。他社が多くのページを割いている業績ハイライトは2ページ程度にギュッとまとめ、一年間の様々な活動報告を「お客さまのQOL向上を目指して」というテーマで括ることでストーリーが出来上がり、“読み物”として面白く出来上がってます。派手さはないですが、緻密に作られているなぁと感心しました。自分たちが生命保険会社として、〇〇で社会に貢献していくんだというビジョンが明確で働きやすそうではありますね。ただ大手である以上、様々なしがらみとかフットワークの重さというものもあるのでしょうが・・・。

 

富国生命

堅実経営で評価されている富国生命はどうでしょう。

https://www.seiho.or.jp/member/disclosure/pdf/h29/fukoku.pdf

「お客さま基点」というお客さま本位を経営理念に掲げているようですが、スゴイです。業績ハイライトのページはさすがにありませんが、それ以外のページにはいたるところに「お客さま基点」「お客さまから評価される」「お客さまの満足」「お客さまの声」などなど、お客さまというフレーズだらけです。お客さまをと~~っても大事に考える良い会社という風に捉えればいいのでしょうか?

この会社では「お客さま基点」の徹底した社員教育にも力を入れているようで、それはもうお客さまのことで頭がいっぱいになるのでしょう。ふと、社員の幸せは?と考えてしまいます。従業員満足度の向上の取り組みは資料からはあまり見て取れませんでした。『奉仕』とか『自己犠牲』という言葉がピッタリな会社だと感じますね。

ちなみに取締役会長の秋山氏は昭和10年生まれだそうで…。まだまだ現役ってスゴイですね。

明治安田生命

最後に明治安田生命です。

https://www.seiho.or.jp/member/disclosure/pdf/h29/meijiyasuda.pdf

目を疑いました。衝撃的です・・・。

まぁ王道手段といえばそれまでなのですが、目盛設定が曖昧なグラフを使用しています。下図がそのグラフです。

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明治安田生命 統合報告書2018 P.35より抜粋

2016年度と2017年度の差は「14」です。2017年度と2019年度の差は「6」であるにもかかわらず、前述の2016年度と2017年度より伸びが高く表現されております。また、なぜか、2018年度のグラフはなく、一番右のグラフは2019年度の“目標値”だそうです。2018年度はあまりよろしくなかったのですかね?未来志向でいいと思います!

最後に

今回は私の独断と偏見で選んだ個性あふれるアニュアルレポートをご紹介しました。自分の興味ある会社のアニュアルレポートは必ず目を通しておくことをおススメします。また、生命保険に限らず、優れたアニュアルレポートを見ることは目利き力向上に役立ちます。アニュアルレポートとは自分のためではなくステークホルダーに向けて発信するものです。自分たちが何を成したのか?その意義は何なのか?今後何に期待してほしいのか?といったメッセージがステークホルダーに届かなくては意味がありません。

私が上手だなと感じたアニュアルレポートを作成している会社をご紹介します。

就職先との相性は非常に重要です。口コミなども情報収集する上で大変有効ですが、最後は自分の直感です。是非、いろいろな会社を見て、ここだと思う就職先を見つけてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。