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第15回_ヒトの一生を考える~寿命~

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こんにちは。十返舎テックです。

『人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり。ひとたび生を得て滅せぬもののあるべきか』
室町時代に流行した曲舞、幸若舞(こうわかまい)の演目「敦盛」の一節です。

今川義元軍の尾張侵攻を聞きつけた織田信長が、桶狭間の戦い前夜に敦盛を舞い自軍を鼓舞したというエピソードが有名ですね。冒頭のフレーズ“人間五十年~”からもわかるように当時の一般的な寿命は50歳前後。桶狭間の戦いのときの信長は26歳とのことですので、すでに人生の折り返し地点。だからこそ、大軍の今川軍に覚悟をもって大胆な戦略で挑み勝利をつかむことが出来たのかもしれません。

さて、時代は2019年。人生100年時代と呼ばれております。信長の時代から450年ほど経過しヒトの一生は倍近くに伸びました。

本日のテーマは「寿命」です。

死亡率を考える

突然ですが問題です。0歳時が1歳の誕生日を迎えられる確率は次のうちどれでしょう?

  1. 95%
  2. 99%
  3. 99.8%

答えは99.8%です。

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厚生労働省 簡易生命表(2017)より筆者作成


2歳児ごろより死亡率はガクっと低下し、だいたい小学校3・4年生頃が人生において最も死亡率が低い時期になります。その後、行動範囲が広がることで災害や不慮の事故に巻き込まれ命を落とすケースや、自ら命を絶つケースなどで少し死亡率が上昇し、40歳を経過したころに生後直後の死亡率に戻ります。

それでは、もう一問。

100室ある老人ホーム。入居者の平均年齢は85歳。この老人ホームに入居する希望者は現在15人待ちであるとき、何年で入居できる可能性が高いでしょうか?

  1. 2年以内
  2. 3年以内
  3. 5年以上

答えは2年以内です。

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厚生労働省 簡易生命表(2017)より筆者作成

85歳時点の死亡率は8.61%なので、1年間で100室のうち8~9室が空く計算になります。

あまり、ポジティブな話ではないですが、生命保険会社で勤めるということは、“寿命に対する感覚”を身に付ける必要があります。

日本の平均寿命と世界の平均寿命

厚生労働省が毎年発表している簡易生命表の2017年版によると、日本人女性の平均寿命は87.14歳、日本人男性の平均寿命は80.98歳でともに過去最高を更新しました。

世界で見ると日本人女性は香港についで第2位。日本人男性は香港、スイスについで第3位の平均寿命だそうです。ただ、異なる国同士の平均寿命比較は厳密には難しく目安として捉えたほうがよいでしょう。

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世界の平均寿命 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Countries_by_average_life_expectancy_(2015).pngより

世界保健機関が2015年に公表したデータを基に各国の平均寿命を色で表現した地図です。緑色が深いほど平均寿命が高く、赤色が深いほど平均寿命が低い国となります。

経済が発達している国はおおむね平均寿命が高いと言えそうです。

 

平均寿命は経済指標

OECDが公表している平均寿命と国民1人当たりのGDP相関図です。

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OECD Health Statistics 2017 より

GDPが40,000 USドル前後に達する国は平均寿命が80歳前後になります。平均寿命と経済は相関を見て取ることができ、平均寿命は単純に健康指標というわけではなく、経済指標としても捉えることができます。

もう一つ、OECDが公表しているグラフがあるのでご覧ください。

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OECD Health Statistics 2017 より

こちらは、平均寿命と医療費の関係です。医療費が高ければ高いほど平均寿命を押し上げるかというとそうではないことがわかります。医療費が一番高い国はアメリカですが、日本のような国民皆保険がなく国民が医療サービスに支払う金額は膨大です。社会保障として皆保険が整備されている国々が平均寿命の高い国と言えそうです。

世界保健機関ではこのような様々な統計データを公表しております。一度、ご覧ください。

平均寿命の将来予測

内閣府が公表している資料です。

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平成29年度版 高齢社会白書

日本の平均寿命は今後50年でさらに上昇することを見込んでおります。ただし、現時点の予測です。革新的な特効薬や治療法の確立など、医学の進歩が目まぐるしい昨今、何かをきっかけにこの予測を大きく超えた平均寿命が実現される可能性もゼロではありません。

自動車の自動運転が実現しつつある中、自動車保険のビジネスは変わりつつあります。ヒトの一生が長くなる中で、生命保険のビジネスはどのように変わっていくのでしょうか?その答えの一つが第10回でお伝えした「認知症」にフォーカスした商品と付帯サービスです。

ITテクノロジーの進化と医療技術の向上、2つを背景に日本における生命保険ビジネスは姿かたちを変えつつあります。当ブログではそれらを一つひとつ丁寧に解説していきたいと思います。次回のテーマは「死因の変化」です。

それでは本日はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございました。